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恐怖体験・・・3

《出来れば(その1、その2)も読んで下さい》



そんな考えの全てが無駄になるとは、全然分からずに…。



夜、私は夢を見ました。

小学生に戻った夢です。



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体育の授業中に、先生がクラスの皆に言います。

「二人一組で体操するぞ。仲の良い友達とチームを作りなさい。」

そう言われた私は、親友のN君を探します。



しかし、N君はもう他の友達とチームを組んだしまったあとでした。

私は仕方なく他のパートナーを探します。

でも、めぼしい友達が次々とパートナーを見つけていく中、私一人だけが取り残されてしまう。



周りに、人はたくさんいます。

それでも、私には一緒に体操をしてくれる友達さえいませんでした。

その事実が、私に孤独感を与えました。



「お前は一人なんだ!」と神様に突き放されている気がしました。

私は途方にくれ、辺りを見回します。

すると、どこからともなくアントニオが現れて、私に言います。

「ワタシト、イッショニ、タイソー、シマショー」



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そんな夢でした。

そして、孤独な私にも無事、朝がきました。

昨日、考えたよりもずっとサワヤカな朝でした。



ただ、目覚めた瞬間、ふと誰かの視線を感じる。

それで、目をこらすと…。



Mさんがこっちを見つめています。

まるで、私が目覚めるのを待っていたかのようです。

私に近づき、Mさんは私の耳元でささやきます。



「さだ、話があんねん。」いつになく深刻な様子。
 
ピーンときた私はMさんの目を見ながら言いました。

「アントニオでしょ。」



「何で分かってん?!」と目をむいて驚くMさん。

「僕もやられかけたんです。」と小声の私。



「マジ?いつやねん?」

「ロビーで二人きりになったあの時です。」



そして、3秒ほどお互いを見つめあい、部屋中に響き渡るくらいの声で大笑いしました。

ウッシャシャシャシャ~♪

周りにいた人たちが、我々のことを不思議な眼で見つめます。



笑い声の3秒後、Mさんはつぶやきました。

「さだ、俺は昔からホモにはモテんねん。」

表情は何故か悲しげ。



私の方が先に口説かれたのが不満だったかもしれません。

私はMさんが何を悲しがっているのか、一切分かりませんでした。



私は、Mさんの気持ちなど考えずに言いました。

「アントニオは昨日は誰でも良かったんですよ。何を悲しがっているんですか!」



ウッシャシャシャシャ~♪



またも二人の笑い声が大部屋にコダマします。

私はMさんの話を聞きたくて仕方なかったですし、Mさんは私の話をききたくてたまらない様子です。

二人ほぼ同時に同じ事を考え、Mさんが言いました。 「ゆっくりしゃべれる部屋を探そう。」



この時の私は、幸せの絶頂にいました。

昨日までの孤独が嘘のようです。

神様に見放されてなんかいない。



いや、それどころか、笑いの神が我々二人を見守っている、そんな気がしました。

ありがとう、アントニオ。お前は笑いの神様に選ばれたんやな。

感謝します、大峯山。大峯山の神様は、笑いの神だったんですね。



他の人があまり来ない部屋に移って、私は昨日の出来事を克明にMさんに伝えました。

ひととおり、聞き終えたMさんは口を開きました。

「俺には、お前と全然違う。こう迫ってきよったんや。俺の話にはパパが出てくるんや。」



「パ…、パパですか?」
 
「そうや、パパや。」



「パパって、あのパパですか???」

「そうや、あのパパや。」

Mさんは静かに語り始めました。


 
<恐怖体験(その4)>に続く



阿倍野区の不動産屋エスマガの独り言でした。

売却も購入も阿倍野区の不動産のことならエステート・マガジンへご相談下さい。
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恐怖体験・・・2

《出来れば(その1)も読んで下さい》



部屋に戻ると、大部屋の片隅でMさんが他のオッサン達とささやかな宴会を開いていました。

会長と目が合った時、さっきの事件を言おうか言うまいか、悩みました。
 
結局、言わずに我慢しました。

言ってしまって、アントニオとMさんの雰囲気が悪くなるのを恐れたのです。


 
それに、Mさんが私の前でアントニオに「お前ホモなんか?」などと聞いた日には、私はどんな顔をしたら良いのでしょうか。

こっちの方が怖かったことを正直に告白します。



私の胸の内だけに秘めていれば、世界は何事もなかったように動き出すのだ。

そう考え、黙っておくことにしました。

そのことが、後々、あんな事件を引き起こすとは…。



何もかも忘れて、そのまま眠りたかったのですが、素通りするのも変なので、少しだけその宴に加わることにしました。

皆、楽しそうに飲んでいます。

私も日常の生活に戻れたような気がしました。


 
しばらくすると、アントニオも何もなかったような顔で戻ってきて宴に加わります。

私とアントニオの間にだけ流れる変な空気。

誰もその空気には気付かずに、楽しそうに飲み喋っています。



この広い世界の中で、たくさんの人がすぐ側にいるのに、それでも私は孤独でした。

その孤独を理解できるのは、ただ一人、アントニオだけなのかもしれません。

Mさんがさっきの中華料理屋で聞いたアントニオの話をネタに、皆を笑わせたりしていました。



そのネタの最中にも、アントニオは私をチラ見します。

決してガン見ではなく、チラ見です。

そして、彼は私に喋りかけます。

「サダサン、メアド、コウカン、シテクダサイ。」



まだ、私に照準を定めているようです。マジ?

どんだけ俺のこと気に入ってんねん?



私は彼を見ました。彼も私を見ました。

普通の人間の目に戻っています。

ただ、その瞳が「逃さないぞ、逃さないぞ、逃さないぞ」と語りかけてきます。



「先に眠るしかない!」私は決意しました。

幸いなことに大部屋です。

アントニオといえども簡単には手出しできないはず。



「シンドイんで先に寝ます。」とだけMさんに伝え宴から抜けました。

布団の中で眠ろうとしていると、その大部屋にプルルル~と携帯電話が鳴り響きます。

「まさか」と思い、私の携帯を見るとアントニオの名が…。



まだ、私を諦められないようです。マジ?

ここまで気に入るか?本気でヤル気やな!



私は携帯電話をマナーモードにしました。

そのあと、3回ほど鳴りましたが全て無視。

暗闇の中でジッとしていると、睡魔が私を優しく包み込みはじめました。



こんな恐怖に襲われたまま眠りにつくのは初めてのことです。

「明日、Mさんにどのタイミングで報告しようか?朝食後?帰りのバス?やはり、アントニオと別れてから?」

最後に考えたのはその事でした。



そんな考えの全てが無駄になるとは全然分からずに…。

やはり、私の恐怖はまだまだ終わらないのです。



 <恐怖体験(その3)>に続く



阿倍野区の不動産屋エスマガの独り言でした。

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プロフィール

さだやま

Author:さだやま
株式会社エステート・マガジン
代表取締役

定山 光絡
(さだやま みつらく)

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